世界遺産 熊野参詣道 中辺路後半

      
          紀伊路地図
          ( 熊野古道キャンペーン推進協議会 チラシ 聖なる森 熊野古道を歩くより)

      第7回 逢坂越・三越峠  1泊2日 2011年5月7日〜8日

      (第1日目 逢坂越  2011年5月7日)

      
     高原集落                                 大門王子跡

           
            大坂本王子跡

      栗栖川バス停〜高原霧の里〜高原池〜大門王子〜十丈王子〜小判地蔵〜
      上多和茶屋跡〜大坂本王子〜牛馬童子口バス停      川湯温泉泊
      約8.5km   所要時間 4時間30分

       和歌山地方は昨日雨だったそうだが、今日は時折青空がのぞいて
     新緑が美しい。藤の花が満開だ。
      語り部さんは声が大変美しい方だ。カモシカのようにほっそりとしなやかな
     足取りで、階段をふわりふわりと下りてゆく。
      栗栖川バス停を12時25分出発、牛馬童子口16時55分到着。
      今夜の宿は、川湯温泉 みどりや。温泉で汗を流す。食後、川原の露天風呂へ。
     かじかの鳴き声を聞き、星空ときれいな川の流れを眺めながら温泉を満喫する。


      (第2日目 三越峠越 2011年5月8日)

       
     早朝散歩  川湯風景                  早朝散歩  川湯温泉の清流

          
           古道を行く 語り部さん

      小広峠〜熊瀬川王子〜女坂〜仲人茶屋跡〜男坂〜岩神王子〜おぎん地蔵〜
      蛇形地蔵〜湯川王子〜三越峠〜船玉神社〜猪鼻王子〜大門坂入口〜
      発心門王子
       約11km   所要時間 5時間40分

       朝8時宿を出る。小広峠9時スタート。11kmのアップダウンのコースは
     流石に疲れた。
      休憩の度ごとにストレッチをしながら、無事に歩きとおすことができてよかった。
     発心門王子14時40分到着。
      コメツツジ(可憐な米粒くらいのツツジ)、ハルギキョウ、ミヤマシキブ、ヒカゲノカヅラ、 
     ハルノタムラソウなど始めてみる花の名前を教えてもらう。
      帰路、有田南で渋滞約2時間。桂川パーキングエリアで京都の人たちと一緒に
     下り、そこからシャトルバスに乗り換え京都駅へ。JRで帰る。帰宅、22時10分。


      第8回 熊野速玉大社・高野坂・小雲取越 1泊2日  2011年6月4日〜5日
 

      (第1日目 熊野速玉大社・高野坂  2011年6月4日)

               
                神倉神社の急な石段

       
     熊野速玉大社                     上皇の熊野御幸の碑 語り部さんと

       
     七里御浜を歩く                     ササユリ咲く3体の地蔵さん

      神倉神社〜熊野速玉大社〜阿須賀神社〜浜王子(王子神社)〜金光稲荷神社〜
      三輪崎駅〜佐野一里塚〜佐野王子     勝浦温泉 泊
      約10.3km  所要時間 4時間30分

       天気晴れ。今日は新宮の町歩きが中心。神倉神社をスタートし熊野速玉大社に
     参拝する。
      その後、新宮の町を抜けて七里御浜へと向かう。古い味わいのある洋館があちこちに
     残っており、街中ウオッチングを楽しむ。
      七里御浜で潮風を浴びながら歩く。今日初めての山道、高野坂を越えてゴールの
     佐野王子へ。
      今日の宿は、勝浦温泉 ホテル浦島。ホテルへは船で行く。さっとシャワーで汗を流して
     夕食。それから、洞窟温泉玄武洞と望帰洞をハシゴし、1日の疲れを癒す。


      (第2日目 小雲取越  2011年6月5日)


       
     煙雨の中を行く                       煙雨にけむる

       
     雨の百間ぐら                      神の棲む森

      小和瀬渡し場跡〜桜茶屋跡〜桜峠〜石堂茶屋跡〜賽の河原地蔵跡〜
      和歌山県朝日夕日百選の碑〜百間ぐら〜万才峠の分岐〜松畑茶屋跡〜
      下地橋バス停
      約13km   所要時間 5時間10分

       天気 曇りのち雨
      朝5時、忘帰洞温泉に朝日を見に行くが、雲が多く朝日を見ることは出来なかった。
      ホテル7時30分出発。小和瀬の渡し場跡9時10分スタート。登り始めてしばらくすると、
     ポツポツ雨が降り始める。百間ぐらの眺望を楽しみにしていたが、なにも見えず残念。
     しかし、雨には雨の良さがあり、煙雨にけむる幻想的な熊野を堪能した。
      雨がだんだん激しくなってきたので昼食をとる場所がなく、終点に到着後
     バスの中で食べる。
      下地橋バス停14時20分着。到着が早かったので、帰路も渋滞に合わずに済んだ。
      帰宅 20時15分。


      第9回 大門坂・熊野那智大社・大雲取越(最終回) 1泊2日  
      2011年7月6日〜7日

       
      (第1日目 大門坂・熊野那智大社 2011年7月6日)

       
     補陀洛山寺                       補陀洛渡海船

        
     大門坂入口                       夫婦杉

       
     那智大社の大木                      那智の滝   雨に立つ木

               
                那智の滝 

         
          那智の滝 

      補陀洛山寺・浜の宮王子〜尼将軍供養塔〜市野々王子〜大門坂入口〜振ケ瀬橋〜
      夫婦杉〜多富気王子〜熊野那智大社〜青岸渡寺〜那智の滝    勝浦温泉 泊
      約7.2km    所要時間 3時間30分

      ☆ 家を出る時は晴れていたが、現地に近づくにつれ雨が降り始め、
     歩き始めるころにはどしゃ降りになる。
      道の駅 那智を13時10分スタート。補陀洛山寺へ。

      補陀洛山とは観世音菩薩が住む山のことで、中世日本でははるか南海上に補陀落が
     存在すると信じられ、これを目指して船出することを補陀落渡海(捨身行)といった。
      渡海船(上の写真)には4つの鳥居が四方に向けて立てられ、その中央の
     小部屋に僧が入る。部屋には扉がなく僧が中に入ると板を嵌めて釘づけする。
     舟は沖まで曳航されそこで綱が切られる。
      記録に明らかなだけでも、日本の各地(那珂湊、足摺岬、室戸岬など)から40件を
     超える渡海が行われ、そのうちの25件がこの補陀落山寺からだという。

      大門坂、那智大社、青岸渡寺を経て終点那智の滝へ16時40分着。
      コースは一部山道だったが、あとはアスファルトと石畳道だった。

      今夜の宿は、先月と同じ勝浦温泉 ホテル浦島。


      (第2日目 最終回  大雲取越   2011年7月7日) 

      熊野那智大社・青岸渡寺登り口〜那智高原〜登立茶屋跡〜舟見茶屋跡〜
      舟見峠〜亡者の出会い〜色川辻〜地蔵茶屋跡〜石倉峠〜越前峠〜
      楠の久保旅籠跡〜円座石〜小口自然の家
      約14.8km   所要時間 8時間

      ☆ 朝からどしゃ降り。昨日はカッパなしで傘をさして歩けたが、今日はカッパの
     上下と足にはスパッツをつける。カメラを出すことができないので今日は写真なしだ。
      熊野古道最大の難所である大雲取越の日にこの雨とは。これだけどしゃ降りだと、
     雨もまた良しなどという気にはならない。
      カッパを通って雨が下着まで濡らす。コースはほとんど石段と石畳道からなり、
     滑らないように足を踏みしめて歩く。前半は登りばかりで、後半はこれでもかと
     言わんばかりに延々と下りが続く。
      那智山駐車場8時15分スタート、終点小口自然の家16時15分到着。
      一日中雨が降りしきる。なにはともあれ、悪条件のもとでの8時間にわたるウオークを
     足の故障もなく完歩できて良かった。


                         最後に

      世界遺産 「紀伊山地の霊場と参詣道」は、「熊野三山」、「吉野・大峯」、
     「高野山」の3つの霊場と、これらを結ぶ熊野参詣道(熊野古道)、大峯奥駈道、
     高野山町石道からなります。
      熊野古道は、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)に
     参るための道であり、代表的なものに紀伊半島を西回りする紀伊路
     (中辺路、大辺路)と東回りする伊勢路があります。
      その内の伊勢路と中辺路を2009年3月から2011年7月までの2年4か月
     かけてほぼ踏破しました。
      それは、ご自身もつらい山道を登りながらサポートしてくださった添乗員さん、
     古道歩きに彩りを添え元気をくださった語り部さん、安全運転をしてくださった
     バスの運転手さん、そして苦しい坂にあえぎ、またある時は綺麗な景色に感動し、
     共に歩いてくださった皆さんがいたお蔭です。
      改めて皆様に感謝申し上げます。
      最後に、呆れながらも温かく送り出してくれた家族に感謝します。

                      2011年9月


                           
                           戻る