鯖街道を歩く 第5回(全6回)

         
    根来坂峠から鵜の瀬
                ねごりざかとうげ
      
      2016年7月14日(木)   天気 晴れ 午後一時雨

      行程
      京都駅 〜 小入峠    … 根来坂峠 … 上根来 … 手向山八幡宮 
     7:30  10:25(10:55)昼食 11:15(11:20) 13:15  14:35(14:45)       
      … 鵜の瀬公園資料館 〜 京都駅
        15:05(15:25)    17:40

                          〜 バス  … 徒歩

          
 
      今回は滋賀県境を越えて、いよいよ福井県に入る。
      夜中に雨の音で目が覚めた。大丈夫かなと心配したが、朝になると
     雨は止んでいた。
      根来坂峠から奈良東大寺のお水取りと深い関わりのある、鵜の瀬まで
     約14キロを4時間10分(休憩も入れて)で歩く。

       
        梅雨の最中、堰堤から流れ落ちる水量も多い。

      古代の若狭は大陸の人々を迎え入れた海の玄関口であったという。
     大陸の人々は日本海の海流に乗って若狭に着き、陸路をたどって都へ向かった。
      若狭は朝鮮語のワカソ(往来の意味)からきた地名という。
     根来(ねごり)はネ コーリ(汝の古里)、遠敷(おにゅう)はウオンフー(遠くにやる)に
     由来するらしい。
      地名からも若狭と大陸との交流の深さがわかる。

      <和歌山県は根来衆(ねごろしゅう)や根来塗(ねごろぬり)で有名だが
     (私はこちらの方を知っていて、若狭に根来…ねごり という地名があることを知らなかった)
     こちらも大陸と関係があるのだろうか。>

      若狭から京の都への陸路はわかっているだけで25ルートあるらしいが、
     私たちが歩いている最短距離の若狭街道(根来・針畑ルート)は、最も古い街道のようだ。
     昭和初期以降は利用が廃れたため、根来坂峠が廃道となっていたが、近年になって
     観光や地域文化振興などの観点から登山道として整備されつつある。
      今回で鯖街道歩きも5回目になるが、今までハイキングをしている人に会ったことがない。

       
    小入峠10時25分着。 早い昼食。       根来坂峠へ。今回のコースで唯一の登り(20分)。
    準備運動後 10時55分スタート                    

        
      根来坂峠11時15分着(11時20分出発) これより山道を2時間かけて下り、
     車道歩き2時間の予定でゴールの鵜の瀬資料館へ。

       
     落ち葉の絨毯を踏みしめて下って行く     植林された林の道を行く

        
         根来坂峠から30分、弘法大師が一晩で掘ったといわれる井戸。

       
     一年中枯れることがないそうだ         冷たい水

       
     林道を10分歩いて(暑い!)           再び涼しい山道へ

       
     峠からは歩きやすい緩やかな下りが続く    少し開けた場所で休憩

         
         上根来、鯖街道入口 13時15分着。峠から約2時間(予定どおり)。
        ここからは余り嬉しくない車道歩きが始まる(2時間) 

    
      おにゅう峠から赤色のルートを下ってきた。これから遠敷川(おにゅうがわ)沿いに
     下根来集落、鵜の瀬資料館へと歩く。

       
     長閑な里の風景                  空き家

          
      14時15分水場着。冷たい水でひととき暑さを忘れる。車道歩きは丁度半分、
     あともう少しだ。

         
         今回は全く花を見なかった。唯一この花だけ、川岸に咲いていた。

       
     廃屋                   綺麗な花の咲く家 人の生活の気配が感じられて
                          ホッとする

         
    14時35分(おにゅう峠から3時間40分)下根来神の谷、手向山八幡宮(下根来八幡宮)着。 
    10分休憩後出発                                     

      手向山八幡宮は少し下流の鵜の瀬、神宮寺とともに、奈良東大寺二月堂の
     お水取りの神事と深い繋がりがある。

      和銅7(714)年、白石明神直系の和の朝臣・赤磨
(あかまろ)が神願寺を建立し、
     遠敷
(おにゅう)明神を祀ったのが神宮寺の始まりという。手向山八幡宮は東大寺鎮護の
     ために建てられた神社の一つといわれている。
      東大寺を開山した良弁僧正
(ろうべんそうじょう)は、若狭小浜の下根来白石の出身とされ、
     大仏建立にあたり当時若狭で修行中のインドの渡来僧 実忠 を招いた。
      天平勝宝4(752)年、実忠は東大寺二月堂を建立し修二会を開いて全国の神々を
     招いた。その時遠敷明神は漁に夢中で遅刻をした。お詫びに本尊に供える
     お香水を若狭から送ると約束し、二月堂の下の岩を叩くときれいな水が湧きだしたと
     伝えられている。
      その湧水が「お水取り」の神事でお香水を汲む若狭井といわれている。
      3月2日、「お水取り」にさきがけて若狭小浜の神宮寺では「お水送り」の神事が
     行われる。
      遠敷川の鵜の瀬から送られたお香水は、10日後二月堂の若狭井に届くという。
     (お水取りは3月12日)

      なんとも壮大な言い伝えである。小浜と東大寺は直線で90km(ほぼ真南)、
     真実かどうか 無知婆さんにはわからないが、地下水脈で繋がっているかも
     と想像してみるのはロマンがあって楽しい。

      その「お水送り」の神事に先立って、上の写真の手向山八幡宮で「山八神事」
     行われる。神宮寺の住職と講習(下根来各家の世帯主)達は3月2日午前、
     供物の赤土饅頭を付けた棒で外陣の柱に「山」「八」と書いて豊作祈願を行う。
     午後から神宮寺の「お水送り」の神事が始まる。

     以上 fukui-c.ed.jp wikipedia  東大寺ホームページ を参考にさせていただきました。
        
         手向山八幡宮を出発する頃からポツポツと雨が降りだす。

       
     下根来小学校は廃校になっているようだ。  道路の擁壁に 京は遠ても18里 鯖街道 の絵
                           が描かれている

       
    ゴールの鵜の瀬資料館駐車場が見えてきた。 15時05分着。出発から4時間10分。

         
          鵜の瀬の名水

         
       ポリ容器一個分の水 300円  給水所の維持管理費に充てられるという。

      15時25 帰路に。途中、道の駅 妹子の郷に寄り、京都駅には17時40分着。
      博学で楽しい添乗員さんと優しいガイドさん、安全運転の運転手さん、
     お世話になりました。

              次回(最終回) 鵜の瀬から小浜までは 8月25日


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